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2010/08/29

意見陳述 (原告側主任弁護士) 2010/7/8

1 本件事件

本件は、神奈川県立保土ヶ谷高等学校で、平成16年9月に発生した、屋上防水補修工事に使用された有機溶剤に伴う汚染事故(シックスクール事故)において、美術科教諭だった原告が、被告のシックスクール事故に対する対処の遅れから、長期間にわたって有害な揮発性有機化合物(VOC)に被爆し続け、その結果・シッククビルディング症候群及び化学物質過敏症に罹患したことの責任を被告に求めるものである。

2 本件の請求

(1) 事故の原因

本件シックスクール事故の原因については、被告自身の調査結果によって、平成16年9月に実施された保土ヶ谷高校北棟の本件屋上防水補修工事において、適切なクラック処理がなされずに新しい防水層を塗布したことから、防水プライマーの成分のキシレンやエチルベンゼン等のVOCが、防水層から直接あるいはクラック等を通して、屋上のスラブ(コンクリート床)に染み込むこととなり、直下の書道室や音楽室に放散されることとなったことが、明らかになっている。

(2) 安全配慮義務違反

ア 不適切な補修工事によって、原告を有害な化学物質に曝露させた被告は、原告に対し、安全配慮義務を負っており、このように不適切な補修工事において・原告を有害な化学物質に曝露させて、シックビルディング症候群及び化学物質過敏症に罹患させたものであるから、その責任は明らかである。

イ 対策の遅れ
のみならず、被告が対策工事を行ったのは、平成17年7月のことであり、10か月も経ってからのことである。その問、原告は、有害な化学物質に被爆し続けたのであり・その問、5月2日には、異臭により、実に308名の生徒が体調不良を訴えるという事態まで発生した。
被告の対策の遅れという点でも被告の責任は明白である。

ウ 被告の抗弁
なお、この点について、被告は、屋上防水補修工事が原因となって室内に化学物質が放散されたことはこれまでに例がないことであるから、予見可能性を欠くとする。

エ 予見可能性は十分あった
しかし、補修工事のときから異臭の訴えは続いていたのであり、特に、原告は、補修工事直後から、この工事が原因であることを指摘し、適切な対策を訴え続けていた被告が・再三のこれらの指摘に、少しでも真撃に耳を傾けてさえいれば、もっと早い対策が可能であったのであり、生徒や教職員の健康被害を最小限に食い止めることが出来たのである。予見可能性が無かったなどとは到底言えない。
 被告の対応は、事故の当初から、生徒や教職員の健康を無視し、事故を隠蔽して責任を暖昧化しようとしてきたと言わざるを得ず、現在に至るまで、何ら反省が見られない。

(3) 公の営造物の設置・管理の暇疵

さらに、原告は国家賠償法第2条の「公の営造物」の設置・管理の「暇疵」に基づく責任も問題としており、こちらは無過失責任とされているから、この点では、被告の主張する予見可能性の有無さえ問題とならない。

3 早期救済を

被害者である教職員や生徒は・被告から謝罪のことばも受けることなく、未だに苦しめ続けられている。
原告は、本件訴訟において、被告の責任を明確にするとともに、その被害の救済を求めるものである。

 

 

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