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2010/08/30

意見陳述 (原告) 2010/7/8

2004年9月、県立保土ヶ谷高校北棟3階の音楽室、西棟5階部活倉庫の雨漏りのため、防水工事が行われました。
それ以降、有機溶剤汚染事故に、芸術科主任としてかかわり、関係資料を収集整理して6年が経過しました。

2004年4月、合唱部は着任した音楽担当者の熱意で部員が2名から10名以上になり、意欲的な活動を続け、美しいハーモニーを校内に響かせていました。
防水工事に使用された大量の有害な揮発性有機溶剤によって、彼らが健康被害を受けました。

2010年現在も、体調不良に苦しんでいます。

生徒の生命・健康を守ることを教職員の使命として自覚し、今回の提訴を決意しました。

汚染事故の経過をお話します。

2004年10月、防水工事中に音楽、書道の担当者に体調異常が現れました。

芸術科担当の3人で、異常な濃度のシンナー臭は何なのかを、事務長、工事業者に問い詰めましたが、「臭気は窓から入っている。窓開け換気をするように。」と矛盾したことを言われただけでした。

「臭気の原因物質は何ですか。どういう工事をしたのですか。」と3人で問い詰めましたが、管理職と工事業者は「何もわからない。」と回答しました。

知人の建築士に相談しました。「シックハウスで危険だ。」との示唆を受け、3人の不安は増していき、何も対策が講じられないまま、12月には、すでに精神的に限界の状態でした。
何度も3人で検査を依頼しましたが、管理職は、他の職員に事実を知らせず、検査を遅らせました。
12月1日の有機溶剤簡易検査で高濃度の検査結果が出た際、全職員に伝えるように、教頭に懇願しましたが、「数値が一人歩きする。キシレンは危険ではない。」と、全職員への検査結果の連絡は拒否されました。
音楽・書道担当者は2005年3月には北里研究所病院にて「化学物質に起因する疾病」の診断を受け、勤務が困難な健康状態になりました。

4月には、気温の上昇とともに、教室天井のコンクリート内にたまっていた有機溶剤が爆発的に発生し、生徒300人以上が体調不良を訴える事態となり、テレビ、新聞で30回以上報道され、神奈川県教育委員会 知事 も汚染事故を無視することができなくなりました。

私が体調不良を自覚したのは、県が改修工事を受け入れた5月です。

封鎖された美術準備室に教材を取り行く際に、臭気の異常さに強い不安を感じました。

改修工事が開始した2005年7月には、朝の出勤時に解体工事の粉塵を吸ってしまい、退勤時には、異常な痰が30分以上、出続けました。

5月より、管理職は、事故対応のため、夜遅くまで、会議等を命じ、解決策を練りました。

工事対策会議は23時までかかったこともあります。

私は安全策を提案し、細部まで検討して、全ての会議に臨みましたが、有機溶剤の危険性を理解できない職員が存在したのは事実です。
会議の中で、有機溶媒汚染の危険性を無視した発言に対して、私は、心の平静さを維持できませんでした。
帰宅後、体がつかれきっているのに、夜、不眠になりました。

未明にに目が覚め、不安が体中をめぐり、暗い部屋の中をさ迷うことも何度かありました。
同僚の勧めもあり、心療内科の扉を叩いたのは、2005年11月です。
改修工事終了後も検査結果は高濃度を示し、改修した教室には臭気が残っていました。校長は、県が安全宣言を出したことを理由に教室の再開を強制しましたが、生徒・保護者は納得しませんでした。

2006年3月頃から股関節の痛みが激しくなりました。

右肘に痛みがあり、つかむ力も弱くなり、美術の画集を落としてしまうこともありました。

入浴に際し、お湯の入ったひしゃくが持てないのです。
すぐにも北里研究所病院での検診を考えましたが、入試の時期で一日も休めません。

入学試験、学年末の成績、新学年の準備等の通常業務に加え、担任クラスの生活指導などが頻発し、PTA担当書記の毎月の業務、地区会長校書記として地区大会の準備などのため、診察に行くのが後のばしになりました。

2006年9月に北里研究所病院で診察を受け シックビルディング症候群・化学物質過敏症を発症 との診断を受けました。

以降、体質改善療法の処方を、現在まで続けています。

勤務を続けられているのは、心療内科の治療と体質改善療法の成果であると考えております。
1年間の医療費は6万近くになります。この状態がいつまで続くかわかりません。

退職後の医療費も考えなければなりません。不安は大きいです。
街中の工事現場の溶剤や、教室のストーブ等による激しい頭痛、喫煙者が吐く息によって、気管支が痛む等の症状も続いております。

6月中旬からの気管支炎では4種類の抗生剤で、やっと症状が安定してきたところです。

今回の有機溶剤汚染事故は、教育委員会が生徒の健康・安全を配慮せず、事故の責任回避を優先したことによって起きました。
校長など学校管理職の無責任で無慈悲な対応も検証してください。

文部科学大臣は国会にて「遺憾である。」との答弁をしながら、その後の進捗はありません。
問題点を検証し、謝罪も全くされていない現状をしっかり見据えて、責任と対応を明確にしなければ、今後も、生徒と職員は更なる健康被害の犠牲者となるでしょう。

学校建築が老朽化し、雨漏りが多発しています。

防水工事に使用される化学物質のリスク管理と安全管理は急務です。
これからの日本の将来を担う子供たちを、これらの危険から守ってください。

2010年7月8日 横浜地方裁判所 502号法廷

 

 

 

 

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