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2011/04/11

予見可能性: 第3、4回口頭弁論の大きな争点

 

以下は、スライドを書き起したものです。

2_2

◇今までの口頭弁論の経緯

緑は被告側青は原告側のものであることを示します。

また、●は、書面での主張(反論を含む)があったことを示します)

(説明の補足に、当サイト掲載資料やインタネットで調べた資料も用いました)

3_2
 
◇ 予見可能性をめぐる双方の主張

以下、第3、4回の大きな争点である「予見可能性」を中心にまとめました。

被告(神奈川県)側 = 予見可能性を否定する

   原告(柳沼教諭)側 = 予見可能性はきわめて明らかである

予見可能性、すなわち事故の予見が可能であったかが争点になっています。

予見可能なのに未対処であれば、その責任が問われることになります。

 

4_2

■被告(神奈川県)側の主張 = 予見可能性を否定する

(事故当時)県内他校で同種の事故は未発生であった。

(事故当時)県内他校で同種の事故は未発生であった。

ごく細かいか、補修したひび割れを通した浸透だった
↓ 
(だから)予見できない
↓ 
(よって)初期対応が遅れた 

この事実は認める。しかし、予見不能な状況下で、適切と思える方策を講じた。

5  
■原告(柳沼教諭)側の主張 = 予見可能性はきわめて明らかである

   なぜなら、

 1.他校に例がないというのは、理由にならない

 2.容易に予見可能な状況であった

 3.工事中から異臭を訴えていた

 4.早期段階での換気工事指示があった

 

6

【理由2】 (原告側が)容易に予見可能な状況である とする根拠は

 

 •  大量のひび割れがあることはすでに全校周知であった。

 •  雨漏りが発生していた→貫通ひび割れがあることは明らかである。

適切なひび割れ補修をせずに有機溶剤(液体)を使用したのであるから、それの浸透は当然の結果である。

※お詫び:前回、「適切なひび割れ補修をせず」の部分の「適切な」が抜けていました。

 

7

【理由2への被告(神奈川県)側反論】 

雨漏りの原因は、貫通ひび割れとは限らない。

予見可能性の否定

    ごく細かいか、補修したひび割れを通した浸透であった。

    同様の工事でを行った8校で未発生だった(2004年)

      → 常識的に考えられなかった。

被告側は、以下も主張しています。

 ・ ひび割れは全て0.2~0.6mmであった。Uカットの必要な幅は2mmである。

 ・ Uカットは不実施だった。ひび割れの幅に応じて、シーリング剤を充填した。

       Uカット: 歯を削るのと同様な方法で、ひび割れを補修する方法

8

【理由3】 工事中の異臭の訴え

• 教師によって異臭の訴えがなされていたこと 及び

• 全校周知規模の多数のひび割れがあったこと

  以上から、有機溶剤の浸透・放散の可能性についてまったく思い至らないということはありえない。

9

【理由3への被告(神奈川県)側反論】 

工事中は、化学物質が窓を通して侵入したものと推測した。

       ↓

工事中の訴えから、スラブの浸透を推測できるとは言えない。

10

【理由4】 早期段階の換気工事指示

  2004/11/8 天井内換気用ダクトの設置指示が出された。

             ↑
  この時点で、有機溶剤の浸透と放散を認識していたとするのが妥当であり

  すくなくとも、可能性の認識はあったと考えるのが自然である。

  被告側(県)の主張は合理性に欠けるといわざるを得ない。

11

 【理由4への被告(神奈川県)側反論】 

 ・ 設置指示は認める

 ・ 設置指示の理由

   工事後も異臭の訴えがあり、屋上からの揮発以外の可能性が出てきた。

   たとえば、スラブ浸透・放散の可能性も考慮して対応に当るのは当然。

被告側は、2004/11/8 時点で、屋上スラブを通した浸透・放散の可能性を認識していたことを認めました。

では、なぜ閉鎖まで約半年を要したのか、注目していきたいと思います。

 

12_2

◇設置指示前後の出来事

(クリックすると大きな画像でごらんいただけます。プレゼンテーション内で、動画でごらんいただいたものの静止画像です)

 
13

◇残りの争点は

1. 国家賠償法の適用の可否

国賠法2条の設置および管理の瑕疵 

 『通常有すべき安全性の欠如』といえるか

 
被告(神奈川県)側 = 安全性欠如は一時期であり、一部の教室に限られる = いえない

原告(柳沼教諭)側 = 国賠法2条が安全性欠如で足りる。一部であることは責任否定の理由となりえない = いえる

 
3. 化学物質暴露と発症の因果関係について

次回、被告側の反論と合わせて、説明する予定です。

  
                              スライド制作 by ぷぅさん

 

遅くなりましたが、予見可能性についての考察をアップします。

原告と被告の争点をまとめ、いまなにが争われているのかを整理しています。

 

東日本大震災から今日で一ヶ月たちました。

亡くなられた方々に心から哀悼の意を表しますとともに、被災された方々の一日も早い日常への生活復帰をお祈りいたします。

 

 

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