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2011/11/23

化学物質曝露と発症の因果関係 第4~6回口頭弁論の争点 

 

 

以下は、スライドを書き起したものです。

 

◇ 今までの口頭弁論の経緯

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以下、第2回から争われ、特に第4~6回の大きな争点となった 「化学物質曝露と発症の因果関係」を中心にまとめました。

◇ 双方の主張

   原告(柳沼教諭)側 = 長期間日常的に曝露し、このことが発症に大きく影響した。

   被告(神奈川県)側 = 長期間日常的に曝露したこと自体を否認する。

被告側は、曝露と発症の関係以前の問題として、原告が化学物質に長期間、日常的に曝露したこと自体を否認しています。

原告側は曝露と発症の関係についても主張しています。

曝露(ばくろ)」は「さらされること」を意味します。「被曝」も同様な意味で使われます。

◇ 曝露に関する双方の主張   

曝露に関する双方の主張を以下の表にまとめました。

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◇ 異臭の状況

■ 原告(柳沼教諭)側の主張

 北棟3階や西棟5階での異臭の状況を以下のように主張しています。

  北棟3階

   美術室      音楽室・ホール等と比較すれば少ないが、 シンナーのような異臭が漂っていた。

   ホール・廊下   シンナーのような強い異臭が漂っていた。

  西棟5階        シンナーのような異臭が漂っていた(北棟廊下同様)。

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◇ 日常的曝露期間

■ 原告(柳沼教諭)側の主張

 原告側は、異常な長期に渡る曝露を受けたと主張していますが、 具体的には下図に示すとおりです。

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◇ 曝露と発症の因果関係

■ 原告(柳沼教諭)側の主張   

原告側は、曝露と発症の因果関係について次のように主張しています。

化学物質過敏症の発症原因

 ①高濃度曝露

     指針値を超えるVOCに曝露した。

 ②低濃度曝露

     異常なまでの長期間に渡って曝露した。

     長期間とされる2週間を優に超えている。

■ 被告(神奈川県)側の反論

 原告側の主張に対し、被告側は次のように反論しています。

 ①高濃度曝露:否認する

   原告の検査に関する主張に対する反論

  • 2/15の検査:TVOC暫定目標値の基本的理解を欠き、当を得ていない。
  • 2/25、28の検査:測定値の単位は濃度ではなく、放散速度 。単位の異なる結果で指針値を超える高濃度にあったという主張は成り立たない。
  • 4/28の検査: 美術室、視聴覚室の室内濃度は指針値未満

 ②低濃度曝露:否認する  

  原告の被曝可能性について

  • 美術教室、美術準備室 室内濃度指針値を超える曝露は考えられない
  • ホール 室内濃度指針値を超える曝露は考えられない
  • 音楽教室・書道教室 例外的な曝露が問題となるとしても、短時間に過ぎない
  • 立会い 室内濃度が指針値未満あるいはそうである可能性が高い。仮に超えていたとしても短時間に過ぎない。
  • 西棟5階 場所は西棟5階ではなく南棟5階。4/28の西棟の室内濃度でさえ、指針値未満である。南棟の濃度を問題にする余地はない。

 

検査の詳細については、以下を参照ください。

◇ 検査結果について

■ 原告(柳沼教諭)側の主張

原告側は指針値、暫定目標値を超える高濃度なVOCに曝露したと主張しています。

下の2つのグラフは原告側が主張した値に基づくものです。

11

 

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原告側は次のことも主張しています。

2/15の測定はトルエンの濃度が指針値以内とされるが、10~13℃という、指針値の前提(25℃)より低い条件で測定し、低濃度の数値が現れるのは当然である。にもかかわらず、TVOCは優に指針値を超えている。

 

■ 被告(神奈川県)側の反論

被告側は上記原告の主張に対して、以下のように反論しています。

個別VOCの検査結果

個別VOCが指針値を超えたのは、 4/28の個別練習室左のキシレン1000μg/㎥のみ

測定温度
   25℃は測定時の室温を指定するものではない。
   重量濃度と体積濃度を換算する際の室温である。
   25℃で測定すべきという前提自体誤り
   重量濃度は、温度の影響を受けない。

測定単位
   2/25、28の測定値は、VOCの濃度ではなく、放散速度である。
   高濃度状態にあったという主張は成り立たない

測定対象
   指針値は、室内空間が対象であり、天井裏は対象外である。

指針値、暫定目標値について

個別VOCの指針値
   毒性学的知見から、一生涯摂取しても健康に影響を受けない値である。
   指針値未満であれば、安全配慮義務違反を問題にする余地は全くない。

TVOCの暫定目標値
   毒性学的知見から決定されたものではない。
   室内空気質の状態を知る目安に過ぎない。
   ⇒ 暫定目標値超過で、直ちに安全配慮義務違反は問われない。

■  原告(柳沼教諭)側の反論

   原告側は、被告側の上記反論に対して、さらに次のように反論しています。

被告側の著しい過小報告である(下記のグラフ参照)。

実際の値は、公に報告した値の約1.5倍である。
    測定元(ダイヤ分析センター)に確認して判明した。
      測定元の表を元に、(理由は不明だが)転記して作成した。
   ⇒ 意図的であれば大問題である。
      過失(その可能性は認める)であれば、重過失である。
        同報告を元に、様々な措置を判断しているはずである。

測定単位
  濃度でなく、放散速度であることは認める。
   しかし、それは被告側報告の誤記によるものである。

天井裏は対象外ではない
  天井が密閉されていれば別だが、そうではない。

 

18_2

 

TVOC暫定目標値について

   TVOC暫定目標値を不相当に過小評価している。

TVOCの暫定目標値の存在意義 

 
VOC総体としての複合的汚染を問題にする必要性がある。
指針値、相互の影響の知見が未確立な個別VOCが数多くある。
⇒ 暫定措置として、健康影響回避を目的として策定された。

「個別VOCが指針値内であれば有害性がない」は誤りである。
   

社会問題となった本件の結果から明らかである。  

         
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