« 拡がる連帯の輪~2013年3月7日裁判を傍聴して | トップページ | 第15回口頭弁論(2012/12/25)の要点 (訂正・追記あり) »

2013/04/14

第14回口頭弁論(2012/10/16)の要点

保土ヶ谷シックスクール裁判第14回口頭弁論が2012年10月16日に開かれました。被告側準備書面の要点をまとめました。

≪これまでの経緯≫

以下の3点が大きな争点となってきました。

     【1】 国家賠償法の適用の可否

     【2】 予見可能性の有無

     【3】 化学物質曝露と発症の因果関係

とりわけここ2年ほど 【3】を中心に求釈明、釈明がなされてきました。 主な争点は以下のとおりです。

<原告側主張>

原告の柳沼教諭は、本件の事故による揮発性有機化合物(VOC)の高濃度曝露と半年以上の長期にわたる低濃度曝露により、化学物質過敏症にかかった。

<被告側主張>

検査時のVOC濃度は厚生省の基準を下回っており、原告が化学物質過敏症にかかった原因は本件の事故ではない。

原告がかかったのは自律神経失調症であり、その原因は、管理職との交渉や親族の不幸によるストレスである。

 

≪主な求釈明(原告側)と釈明(被告側)≫

今回被告側から、前回(8月23日)の原告側からの求釈明に対する【3】に関する釈明がなされました。

以下、原告側の求釈明と、それに対する被告側の釈明を対比します。 求釈明とは、簡単に言えば、証拠提出や説明を求めることです。

 

1.大量曝露に関する主張の理由、医学的知見

(原告)大量曝露の意味するところは高濃度曝露か。長期曝露も否定する趣旨か。
仮に長期曝露も否定するのであれば、その理由は何か。

(被告)「高濃度曝露」を室内濃度指針値を越える濃度と原告側は定義している。
室内濃度指針値を一時的・わずかに超えた程度の曝露では直ちに健康への有害な影響があるとは考えられていない。
「大量被曝の事実がない」という被告の主張は、「かなり大量の化学物質に接触」するような曝露は考えられないという意味である。 長期曝露の可能性を否定はしないが、有意とは考えていない。

(原告)長期間曝露を認めるのであれば、それで発症しないという医学的知見は何か。

(被告)室内濃度指針値は一生涯摂取したとしても健康への有害な影響がないと考えられている値である。

 

2.化学物質過敏症の存在

(原告)化学物質過敏症の存在自体を否定する主張か。

(被告)本件は損害賠償請求権の存否についての訴訟であり、特定の疾患概念(化学物質過敏症等)の存否を決する手続きではない。原告は「化学物質過敏症訴訟は一定の蓄積を有する」と主張するが、本件訴訟で意味をもつとは考えられない。

 

3.争う診断基準の対象

  
(原告)厚生省診断基準を争う趣旨か。

(被告)「石川診断基準」が現在も特定の臨床現場で用いられていることは認識している。ただし、種々の問題点があり、確定診断できるような特異度・鋭敏度を欠くとの結論に至ったのも事実。同診断基準を酷評している厚生労働省主催の研究会の報告も同じく厚生労働省の見解になろう。

 

4.化学物質過敏症の理解

  
(原告)化学物質過敏症は蓄積では発症しないと理解しているのか。

  
(被告)曝露可能性については、釈明1で釈明したとおり。
「高濃度曝露があったその時点において直ちに発症するものと理解」しているわけでは全くない。

 

5.自律神経失調症に関する理解

  
(原告)被告は自律神経失調症にかかった原因は ①管理職との交渉、②近親者の病気や死亡によるストレスと主張する。

①は悪臭の原因調査、対策などの交渉を指すのか。②は義父の病気や死亡を指すのか。

(被告)原告の訴える各症状が精神的ストレスに起因していることを示す適例として、管理職との交渉や近親者の病気や死亡などのカルテの記載を例示した。ただし、原因を上記の精神的ストレスに限定するものではない。

 

6.曝露の事実

  
(原告)梁が存在するため、放散の危険が低減されると主張するが、未だ何ら立証されていない。今後立証する方針はあるか。

(被告)構造上空気の流れがほとんどない天井裏において放散経路は36.5cm(の隙間)に狭められているのだから遮断性は低いとは言えない。

  
(原告)美術廊下前に脱臭機を設置した理由は何か。

(被告)設置は原告の要望による。設置箇所も、学校現場からの要望による。

(原告)被告が「ごくごく微量かつ低濃度」と主張する美術教室を閉鎖した理由は何か。

(被告)原因が未特定の状況で生徒の不安感等を考慮し、必要十分以上に対策を講じた。

(原告)異臭は、工事期間中からいつまで存在していたとの理解であるか。

(被告)工事期間中は書道・音楽教室の異臭の訴えはあったが、美術教室はなかった。
施工状況調査(2004/12/6)に僅かな異臭を確認、工事終了後も臭気はしばらく残存していたと認識している。

 

7.医師による証拠提出予定の有無

  
(原告)原告の診断結果に関する反論は、現在提出している証拠で行うのか。

(被告)現時点においては、既出の証拠による反証で十分と考えているが、今後の訴訟進行を踏まえ検討する可能性はある。

 

 

                                  by ぷぅさん

« 拡がる連帯の輪~2013年3月7日裁判を傍聴して | トップページ | 第15回口頭弁論(2012/12/25)の要点 (訂正・追記あり) »

ズームアップ」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 第14回口頭弁論(2012/10/16)の要点:

« 拡がる連帯の輪~2013年3月7日裁判を傍聴して | トップページ | 第15回口頭弁論(2012/12/25)の要点 (訂正・追記あり) »

portal

カンパのお願い

  • ゆうちょ振込先
    記号 002201 
    番号 84845 
    名義 保土ヶ谷高校シックスクール裁判を支援する会

    よろしくお願いします。

What's New

  • カウントダウンメーカー



  • タイプミス・誤変換などお気づきの点等ありましたら、お手数ですがご一報ください。早急に訂正します。
  • 2018年10月
      1 2 3 4 5 6
    7 8 9 10 11 12 13
    14 15 16 17 18 19 20
    21 22 23 24 25 26 27
    28 29 30 31      

    Mail

    • ご連絡はこちらからお願いします。

      管理者へのMail

      フォームメールを変更しました。(2011/3/31)

    無料ブログはココログ