ズームアップ

2013/05/06

第15回口頭弁論(2012/12/25)の要点 (訂正・追記あり)

原告側から意見陳述が提出されました。 意見陳述の概要は以下のとおりです。

 

1.「学校環境衛生の基準」に該当しないというのは誤りである

(被告) 建築基準法の建築確認申請に該当しないので、臨時検査をしなかった。

(原告) 「学校環境衛生の基準」によれば、改修等は建築確認申請の有無を問わないものと明記されている。

2. 仮に「学校環境衛生の基準」の「改修等」に該当しないとしても検査実施の義務がある

(原告) 被告側は異常事態を確実に認識していたのだから直ちに臨時検査を実施すべきだった。

認識していた根拠:工事期間中から検査を求める声があり、異臭を確認した上で、空気ダクト、換気扇、脱臭機の設置を次々に指示していた。

3.VOCの放散速度、放散量

 a. 室内のVOCの濃度は施工直後が圧倒的に高い

VOCは塗布後一週間程度で放散量が急激に低下する。室内の濃度も同様である。元加賀小学校の事例も同じであった。

     

 b. 気温と放散量の関係について

    気温の面からみても、VOCの大半は施工後すぐに放散されてしまった可能性が高い。(※)

大量放散発生したと被告が主張する2005年4月の平均気温は14.7度。
が、施工された2004年9月から2ヶ月以上にわたって4月(検査を実施)の平均気温より高い日が続いていた。

  9月平均気温:24.6度 10月:17.2度 11月: 15.1度

【補足】 ここでの主張は、2.で述べている「直ちに臨時検査を実施すべきだった」という主張の根拠を述べるとともに、第14回口頭弁論での被告の「かなり大量の化学物質に接触するような曝露は考えられない」との主張に対する反論となっているように思われる。

     

 c. 屋上防水工事ではVOCの高濃度が長期間続くこと

   屋上防水工事という特殊性から、通常より長期間室内のVOC濃度が高くなる。

    • 本件のような屋上防水工事では、非常に長期間にわたって高濃度の揮発物質が検出されたとの報告もある。
    • 田辺教授(本件事故対策委員)が述べていること
      トルエンは防水層を通過して放散することはまずないので、階下の教室に放散する。初期段階ではかなりの量がクラックを伝わって抜けているのではないか。

4.その他

被告が類似事例を速やかに調査し、対策を検討していれば、早期に原因究明および確実な曝露防止措置をとることが可能であった。(被告は原告が示した類似事例は本件事故と全く異なると主張している)

    • 元加賀小学校の事故は屋上防水工事が原因の一つであった。
    • 田辺教授が被告に類似事例として示したのも元加賀小学校の事例である。
    • 世田谷泉高校の例も、VOCがスラブを貫通、階下に放散という点で本件に類似している。
    • 芸術科教員が2004年12月24日時点で被告に同校の事例を参考に原因調査を要求していた。

 

by ぷぅさん

※ 原告から、3-bでいうところの、VOCが放散された場所とは、「階下の音楽室・書道室・書道室前廊下ホール・西棟部活倉庫教室および廊下部分」であるとの説明がありましたので、補足して追記します。(2013/5/5)

2013/04/14

第14回口頭弁論(2012/10/16)の要点

保土ヶ谷シックスクール裁判第14回口頭弁論が2012年10月16日に開かれました。被告側準備書面の要点をまとめました。

≪これまでの経緯≫

以下の3点が大きな争点となってきました。

     【1】 国家賠償法の適用の可否

     【2】 予見可能性の有無

     【3】 化学物質曝露と発症の因果関係

とりわけここ2年ほど 【3】を中心に求釈明、釈明がなされてきました。 主な争点は以下のとおりです。

<原告側主張>

原告の柳沼教諭は、本件の事故による揮発性有機化合物(VOC)の高濃度曝露と半年以上の長期にわたる低濃度曝露により、化学物質過敏症にかかった。

<被告側主張>

検査時のVOC濃度は厚生省の基準を下回っており、原告が化学物質過敏症にかかった原因は本件の事故ではない。

原告がかかったのは自律神経失調症であり、その原因は、管理職との交渉や親族の不幸によるストレスである。

 

≪主な求釈明(原告側)と釈明(被告側)≫

今回被告側から、前回(8月23日)の原告側からの求釈明に対する【3】に関する釈明がなされました。

以下、原告側の求釈明と、それに対する被告側の釈明を対比します。 求釈明とは、簡単に言えば、証拠提出や説明を求めることです。

 

1.大量曝露に関する主張の理由、医学的知見

(原告)大量曝露の意味するところは高濃度曝露か。長期曝露も否定する趣旨か。
仮に長期曝露も否定するのであれば、その理由は何か。

(被告)「高濃度曝露」を室内濃度指針値を越える濃度と原告側は定義している。
室内濃度指針値を一時的・わずかに超えた程度の曝露では直ちに健康への有害な影響があるとは考えられていない。
「大量被曝の事実がない」という被告の主張は、「かなり大量の化学物質に接触」するような曝露は考えられないという意味である。 長期曝露の可能性を否定はしないが、有意とは考えていない。

(原告)長期間曝露を認めるのであれば、それで発症しないという医学的知見は何か。

(被告)室内濃度指針値は一生涯摂取したとしても健康への有害な影響がないと考えられている値である。

 

2.化学物質過敏症の存在

(原告)化学物質過敏症の存在自体を否定する主張か。

(被告)本件は損害賠償請求権の存否についての訴訟であり、特定の疾患概念(化学物質過敏症等)の存否を決する手続きではない。原告は「化学物質過敏症訴訟は一定の蓄積を有する」と主張するが、本件訴訟で意味をもつとは考えられない。

 

3.争う診断基準の対象

  
(原告)厚生省診断基準を争う趣旨か。

(被告)「石川診断基準」が現在も特定の臨床現場で用いられていることは認識している。ただし、種々の問題点があり、確定診断できるような特異度・鋭敏度を欠くとの結論に至ったのも事実。同診断基準を酷評している厚生労働省主催の研究会の報告も同じく厚生労働省の見解になろう。

 

4.化学物質過敏症の理解

  
(原告)化学物質過敏症は蓄積では発症しないと理解しているのか。

  
(被告)曝露可能性については、釈明1で釈明したとおり。
「高濃度曝露があったその時点において直ちに発症するものと理解」しているわけでは全くない。

 

5.自律神経失調症に関する理解

  
(原告)被告は自律神経失調症にかかった原因は ①管理職との交渉、②近親者の病気や死亡によるストレスと主張する。

①は悪臭の原因調査、対策などの交渉を指すのか。②は義父の病気や死亡を指すのか。

(被告)原告の訴える各症状が精神的ストレスに起因していることを示す適例として、管理職との交渉や近親者の病気や死亡などのカルテの記載を例示した。ただし、原因を上記の精神的ストレスに限定するものではない。

 

6.曝露の事実

  
(原告)梁が存在するため、放散の危険が低減されると主張するが、未だ何ら立証されていない。今後立証する方針はあるか。

(被告)構造上空気の流れがほとんどない天井裏において放散経路は36.5cm(の隙間)に狭められているのだから遮断性は低いとは言えない。

  
(原告)美術廊下前に脱臭機を設置した理由は何か。

(被告)設置は原告の要望による。設置箇所も、学校現場からの要望による。

(原告)被告が「ごくごく微量かつ低濃度」と主張する美術教室を閉鎖した理由は何か。

(被告)原因が未特定の状況で生徒の不安感等を考慮し、必要十分以上に対策を講じた。

(原告)異臭は、工事期間中からいつまで存在していたとの理解であるか。

(被告)工事期間中は書道・音楽教室の異臭の訴えはあったが、美術教室はなかった。
施工状況調査(2004/12/6)に僅かな異臭を確認、工事終了後も臭気はしばらく残存していたと認識している。

 

7.医師による証拠提出予定の有無

  
(原告)原告の診断結果に関する反論は、現在提出している証拠で行うのか。

(被告)現時点においては、既出の証拠による反証で十分と考えているが、今後の訴訟進行を踏まえ検討する可能性はある。

 

 

                                  by ぷぅさん

2011/11/23

化学物質曝露と発症の因果関係 第4~6回口頭弁論の争点 

 

 

以下は、スライドを書き起したものです。

 

◇ 今までの口頭弁論の経緯

2

以下、第2回から争われ、特に第4~6回の大きな争点となった 「化学物質曝露と発症の因果関係」を中心にまとめました。

◇ 双方の主張

   原告(柳沼教諭)側 = 長期間日常的に曝露し、このことが発症に大きく影響した。

   被告(神奈川県)側 = 長期間日常的に曝露したこと自体を否認する。

被告側は、曝露と発症の関係以前の問題として、原告が化学物質に長期間、日常的に曝露したこと自体を否認しています。

原告側は曝露と発症の関係についても主張しています。

曝露(ばくろ)」は「さらされること」を意味します。「被曝」も同様な意味で使われます。

◇ 曝露に関する双方の主張   

曝露に関する双方の主張を以下の表にまとめました。

4

◇ 異臭の状況

■ 原告(柳沼教諭)側の主張

 北棟3階や西棟5階での異臭の状況を以下のように主張しています。

  北棟3階

   美術室      音楽室・ホール等と比較すれば少ないが、 シンナーのような異臭が漂っていた。

   ホール・廊下   シンナーのような強い異臭が漂っていた。

  西棟5階        シンナーのような異臭が漂っていた(北棟廊下同様)。

5

◇ 日常的曝露期間

■ 原告(柳沼教諭)側の主張

 原告側は、異常な長期に渡る曝露を受けたと主張していますが、 具体的には下図に示すとおりです。

6

◇ 曝露と発症の因果関係

■ 原告(柳沼教諭)側の主張   

原告側は、曝露と発症の因果関係について次のように主張しています。

化学物質過敏症の発症原因

 ①高濃度曝露

     指針値を超えるVOCに曝露した。

 ②低濃度曝露

     異常なまでの長期間に渡って曝露した。

     長期間とされる2週間を優に超えている。

■ 被告(神奈川県)側の反論

 原告側の主張に対し、被告側は次のように反論しています。

 ①高濃度曝露:否認する

   原告の検査に関する主張に対する反論

  • 2/15の検査:TVOC暫定目標値の基本的理解を欠き、当を得ていない。
  • 2/25、28の検査:測定値の単位は濃度ではなく、放散速度 。単位の異なる結果で指針値を超える高濃度にあったという主張は成り立たない。
  • 4/28の検査: 美術室、視聴覚室の室内濃度は指針値未満

 ②低濃度曝露:否認する  

  原告の被曝可能性について

  • 美術教室、美術準備室 室内濃度指針値を超える曝露は考えられない
  • ホール 室内濃度指針値を超える曝露は考えられない
  • 音楽教室・書道教室 例外的な曝露が問題となるとしても、短時間に過ぎない
  • 立会い 室内濃度が指針値未満あるいはそうである可能性が高い。仮に超えていたとしても短時間に過ぎない。
  • 西棟5階 場所は西棟5階ではなく南棟5階。4/28の西棟の室内濃度でさえ、指針値未満である。南棟の濃度を問題にする余地はない。

 

検査の詳細については、以下を参照ください。

◇ 検査結果について

■ 原告(柳沼教諭)側の主張

原告側は指針値、暫定目標値を超える高濃度なVOCに曝露したと主張しています。

下の2つのグラフは原告側が主張した値に基づくものです。

11

 

12


原告側は次のことも主張しています。

2/15の測定はトルエンの濃度が指針値以内とされるが、10~13℃という、指針値の前提(25℃)より低い条件で測定し、低濃度の数値が現れるのは当然である。にもかかわらず、TVOCは優に指針値を超えている。

 

■ 被告(神奈川県)側の反論

被告側は上記原告の主張に対して、以下のように反論しています。

個別VOCの検査結果

個別VOCが指針値を超えたのは、 4/28の個別練習室左のキシレン1000μg/㎥のみ

測定温度
   25℃は測定時の室温を指定するものではない。
   重量濃度と体積濃度を換算する際の室温である。
   25℃で測定すべきという前提自体誤り
   重量濃度は、温度の影響を受けない。

測定単位
   2/25、28の測定値は、VOCの濃度ではなく、放散速度である。
   高濃度状態にあったという主張は成り立たない

測定対象
   指針値は、室内空間が対象であり、天井裏は対象外である。

指針値、暫定目標値について

個別VOCの指針値
   毒性学的知見から、一生涯摂取しても健康に影響を受けない値である。
   指針値未満であれば、安全配慮義務違反を問題にする余地は全くない。

TVOCの暫定目標値
   毒性学的知見から決定されたものではない。
   室内空気質の状態を知る目安に過ぎない。
   ⇒ 暫定目標値超過で、直ちに安全配慮義務違反は問われない。

■  原告(柳沼教諭)側の反論

   原告側は、被告側の上記反論に対して、さらに次のように反論しています。

被告側の著しい過小報告である(下記のグラフ参照)。

実際の値は、公に報告した値の約1.5倍である。
    測定元(ダイヤ分析センター)に確認して判明した。
      測定元の表を元に、(理由は不明だが)転記して作成した。
   ⇒ 意図的であれば大問題である。
      過失(その可能性は認める)であれば、重過失である。
        同報告を元に、様々な措置を判断しているはずである。

測定単位
  濃度でなく、放散速度であることは認める。
   しかし、それは被告側報告の誤記によるものである。

天井裏は対象外ではない
  天井が密閉されていれば別だが、そうではない。

 

18_2

 

TVOC暫定目標値について

   TVOC暫定目標値を不相当に過小評価している。

TVOCの暫定目標値の存在意義 

 
VOC総体としての複合的汚染を問題にする必要性がある。
指針値、相互の影響の知見が未確立な個別VOCが数多くある。
⇒ 暫定措置として、健康影響回避を目的として策定された。

「個別VOCが指針値内であれば有害性がない」は誤りである。
   

社会問題となった本件の結果から明らかである。  

         
                              スライド制作 by ぷぅさん

2011/04/11

予見可能性: 第3、4回口頭弁論の大きな争点

 

以下は、スライドを書き起したものです。

2_2

◇今までの口頭弁論の経緯

緑は被告側青は原告側のものであることを示します。

また、●は、書面での主張(反論を含む)があったことを示します)

(説明の補足に、当サイト掲載資料やインタネットで調べた資料も用いました)

3_2
 
◇ 予見可能性をめぐる双方の主張

以下、第3、4回の大きな争点である「予見可能性」を中心にまとめました。

被告(神奈川県)側 = 予見可能性を否定する

   原告(柳沼教諭)側 = 予見可能性はきわめて明らかである

予見可能性、すなわち事故の予見が可能であったかが争点になっています。

予見可能なのに未対処であれば、その責任が問われることになります。

 

4_2

■被告(神奈川県)側の主張 = 予見可能性を否定する

(事故当時)県内他校で同種の事故は未発生であった。

(事故当時)県内他校で同種の事故は未発生であった。

ごく細かいか、補修したひび割れを通した浸透だった
↓ 
(だから)予見できない
↓ 
(よって)初期対応が遅れた 

この事実は認める。しかし、予見不能な状況下で、適切と思える方策を講じた。

5  
■原告(柳沼教諭)側の主張 = 予見可能性はきわめて明らかである

   なぜなら、

 1.他校に例がないというのは、理由にならない

 2.容易に予見可能な状況であった

 3.工事中から異臭を訴えていた

 4.早期段階での換気工事指示があった

 

6

【理由2】 (原告側が)容易に予見可能な状況である とする根拠は

 

 •  大量のひび割れがあることはすでに全校周知であった。

 •  雨漏りが発生していた→貫通ひび割れがあることは明らかである。

適切なひび割れ補修をせずに有機溶剤(液体)を使用したのであるから、それの浸透は当然の結果である。

※お詫び:前回、「適切なひび割れ補修をせず」の部分の「適切な」が抜けていました。

 

7

【理由2への被告(神奈川県)側反論】 

雨漏りの原因は、貫通ひび割れとは限らない。

予見可能性の否定

    ごく細かいか、補修したひび割れを通した浸透であった。

    同様の工事でを行った8校で未発生だった(2004年)

      → 常識的に考えられなかった。

被告側は、以下も主張しています。

 ・ ひび割れは全て0.2~0.6mmであった。Uカットの必要な幅は2mmである。

 ・ Uカットは不実施だった。ひび割れの幅に応じて、シーリング剤を充填した。

       Uカット: 歯を削るのと同様な方法で、ひび割れを補修する方法

8

【理由3】 工事中の異臭の訴え

• 教師によって異臭の訴えがなされていたこと 及び

• 全校周知規模の多数のひび割れがあったこと

  以上から、有機溶剤の浸透・放散の可能性についてまったく思い至らないということはありえない。

9

【理由3への被告(神奈川県)側反論】 

工事中は、化学物質が窓を通して侵入したものと推測した。

       ↓

工事中の訴えから、スラブの浸透を推測できるとは言えない。

10

【理由4】 早期段階の換気工事指示

  2004/11/8 天井内換気用ダクトの設置指示が出された。

             ↑
  この時点で、有機溶剤の浸透と放散を認識していたとするのが妥当であり

  すくなくとも、可能性の認識はあったと考えるのが自然である。

  被告側(県)の主張は合理性に欠けるといわざるを得ない。

11

 【理由4への被告(神奈川県)側反論】 

 ・ 設置指示は認める

 ・ 設置指示の理由

   工事後も異臭の訴えがあり、屋上からの揮発以外の可能性が出てきた。

   たとえば、スラブ浸透・放散の可能性も考慮して対応に当るのは当然。

被告側は、2004/11/8 時点で、屋上スラブを通した浸透・放散の可能性を認識していたことを認めました。

では、なぜ閉鎖まで約半年を要したのか、注目していきたいと思います。

 

12_2

◇設置指示前後の出来事

(クリックすると大きな画像でごらんいただけます。プレゼンテーション内で、動画でごらんいただいたものの静止画像です)

 
13

◇残りの争点は

1. 国家賠償法の適用の可否

国賠法2条の設置および管理の瑕疵 

 『通常有すべき安全性の欠如』といえるか

 
被告(神奈川県)側 = 安全性欠如は一時期であり、一部の教室に限られる = いえない

原告(柳沼教諭)側 = 国賠法2条が安全性欠如で足りる。一部であることは責任否定の理由となりえない = いえる

 
3. 化学物質暴露と発症の因果関係について

次回、被告側の反論と合わせて、説明する予定です。

  
                              スライド制作 by ぷぅさん

 

遅くなりましたが、予見可能性についての考察をアップします。

原告と被告の争点をまとめ、いまなにが争われているのかを整理しています。

 

東日本大震災から今日で一ヶ月たちました。

亡くなられた方々に心から哀悼の意を表しますとともに、被災された方々の一日も早い日常への生活復帰をお祈りいたします。

 

 

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村 

  

 

2011/01/10

第三回口頭弁論(2010/11/04)傍聴記 (Revised)

   

第3回口頭弁論(2010-11-4)傍聴記 revised by SlidBoom

一箇所、 語句の追加がありました(Slide6)ので、修正版を掲示します。(2011/4/2)

前回のものはこちらでした。

      前回ヴァージョン

    

以下は、スライドを書き起したものです。

◇今回裁判の概要

原告(柳沼教諭)側が争点を三つに整理しました。

  1. 国家賠償法の適用の可否
  2. 予見可能性の有無
  3. 化学物質暴露と発症の因果関係

以下、原告側が強く主張した 2. 予見可能性の有無について詳しく説明します。

(説明の補足に、当サイト掲載資料を用いました)

 

◇予見可能性をめぐる双方の主張

   被告(神奈川県)側 = 予見可能性を否定

   原告(柳沼教諭)側 = 予見可能性はきわめて明らか

予見可能性、すなわち事故の予見が可能であったかが争点になっています。

予見可能なのに未対処であれば、その責任が問われることになります。

■被告(神奈川県)側の主張 = 予見可能性を否定する

(事故当時)県内他校で同種の事故は未発生であった。

↓ 

(だから)予見できない

↓ 

(よって)初期対応が遅れた 

この事実は認める。しかし、予見不能な状況下で、適切と思える方策を講じた。

 

■原告(柳沼教諭)側の主張 = 予見可能性はきわめて明らかである

なぜなら、

  1. 他校に例がないというのは、理由にならない
  2. 容易に予見可能な状況であった
  3. 工事中から異臭を訴えていた
  4. 早期段階での換気工事指示があった

【理由2】 容易に予見可能な状況 とする根拠は

  • 大量のひび割れがあることはすでに全校周知であった。
  • 雨漏りが発生していた→貫通ひび割れがあることは明らかである。
  • 適切なひび割れ補修せずに有機溶剤(液体)を使用したのであるから、それの浸透は当然の結果である。   (←適切なという語句を追加しました)

    【理由3】 工事中の異臭の訴え

    • 教師によって異臭の訴えがなされていたこと 及び
    • 全校周知規模の多数のひび割れがあったこと

      以上から、有機溶剤の浸透・放散の可能性についてまったく思い至らないということはありえない。

    【理由4】 早期段階の換気工事指示

      2004/11/8 天井内換気用ダクトの設置指示が出された。

                 ↑

      この時点で、有機溶剤の浸透と放散を認識していたとするのが妥当であり

      すくなくとも、可能性の認識はあったと考えるのが自然である。

      被告側(県)の主張は合理性に欠けるといわざるを得ない。

     

    ◇設置指示前後の出来事

    20101104dekigoto

    (クリックすると大きな画像でごらんいただけます。プレゼンテーション内で、動画でごらんいただいたものの静止画像です)

     

    ◇残りの争点は

    1. 国家賠償法の適用の可否

    国賠法2条の設置および管理の瑕疵 

     『通常有すべき安全性の欠如』といえるか

     

    被告(神奈川県)側 = 安全性欠如は一時期であり、一部の教室に限られる = いえない

    原告(柳沼教諭)側 = 国賠法2条が安全性欠如で足りる。一部であることは責任否定の理由となりえない = いえる

     

    3. 化学物質暴露と発症の因果関係について

    原告(柳沼教諭)側より

       医学的専門家の協力が必須のため、次回以降改めて主張の予定。

     

    スライド制作 by ぷぅさん

     

    2011年初の裁判が三日後に迫りました。

    今回は午前中(10:00~)です。

    また法廷でお会いしましょう。

     

     

    2010/11/12

    第二回口頭弁論における争点の説明

    2010年9月7日に第二回口頭弁論が行われ、原告の柳沼教諭がシックビルディング症候群及び化学物質過敏症に罹患した原因が防水工事にあったかどうかが、一つの争点になっています。

    特に、防水工事と柳沼教諭が執務した場所との位置関係が問題になりました。

    この点について、被告側から提出された図をもとに、わかりやすいように、簡略化し情報を付加した図を用いて説明します。

    (図は、クリックすると大きく表示されます)

      

    事故当時の状況の説明

     

    20100907zu1_3 

    図1のオレンジ部分が屋上で防水工事が行われた箇所です。

    屋上のクラック(割れ目)処理が行われなかったため、クラックを通して、

    その直下に当たる書道教室、音楽教室、音楽準備室、ホールに、

    防水工事で使用された化学物質が漏れ出したと考えられています。

    書道教室、音楽教室とホール、音楽準備室は、

    天井裏部分を含め、鉄筋コンクリートの壁で仕切られています。

    書道教室、音楽教室は全面的に防水工事の行われた場所の直下に当たりますが、

    音楽準備室、ホールは、壁の左側67cmの部分の直下に当たります。

    音楽教室や書道教室で執務していた教師たちは、すでに化学物質過敏症状態と診断され、

    労働災害認定や公務災害認定を受けるに至っています。

    原告の柳沼教諭は、事故当時、美術室および美術準備室で執務を行っていました。

    この67cmの放散口から、漏れ出した化学物質が、

    柳沼教諭が被爆した原因かどうかが、後述のように、争点になっています。

    20100907zu2_2 

    図2は、ホール付近を南側から見た断面図です。

    図1同様、オレンジの部分が防水工事の行われた部分です。

    クラック処理が行われなかった屋上スラブのクラックを通して、化学物質が図に示すように、

    天井裏、さらには教室、準備室、ホールに侵入したものと考えられています。

    特に柳沼教諭が執務していた美術教室に最も近いホールには、

    鉄筋コンクリートの壁より左側67cmの部分から侵入したものと考えられています。

     

    被告側(神奈川県)の主張

    被告側は、以下の理由から、防水工事が原因で柳沼教諭が被爆したとは考えられないと主張しています。

    【理由】

    • ホールにおける防水工事直下の部分はごく一部(幅67cm)であるため、ホール内の化学物質濃度は、防水工事の直下にあたる音楽教室や書道教室に比べてごく低濃度であることは疑いない。
    • 原告が執務していた美術室及び美術準備室は、音楽教室や書道教室とは、建物の東西両端というように、およそ位置関係を異にしている。

    原告側(柳沼教諭)の主張

    一方、原告側は、以下の理由から、被告側の主張に真っ向から反論しています。

    【理由】

    • 美術教室、美術準備室においても、美術室前廊下を中心に異臭がしていており、そのため保土ヶ谷高校側も、美術室前廊下には脱臭機を設置し、稼動させていた。
    • 被告自身が、廊下の一部であるホールの67cmの範囲が、本件屋上防水工事の直下であることを認めている。
      可能性が低いと主張するが、化学物質は、放散口から時間をかけて空気中に放散され、充満していくのであるから、
      原告が被爆するには十分すぎる可能性が存在したことを示すものである。

     

    すなわち、被告側は、

    化学物質の放散口である部分は67cmとごく一部であり、柳沼教諭が執務していた美術室や美術準備室が離れているため、防水工事が原因とは考えられないと主張しています。

    これに対して原告側は、

    化学物質は放散口から時間をかけて充満するものであり、しかも、それを裏付ける脱臭機が保土ヶ谷高校側によって設置されていたと主張しています。

    Commentary by ぷぅさん


    この裁判を支援し、傍聴している仲間の一人、ぷぅさんさんが説明のための資料を作成してくださいました。
    イメージしにくい建物の構造を図にしています。

    感謝しつつ、ここに掲載させていただきます。

    裁判資料は、こちらをご参照ください。

    20100907被告準備書面

    20100907原告準備書面

    裁判経過-時系列-

     

    portal

    カンパのお願い

    • ゆうちょ振込先
      記号 002201 
      番号 84845 
      名義 保土ヶ谷高校シックスクール裁判を支援する会

      よろしくお願いします。

    What's New

    • カウントダウンメーカー



  • タイプミス・誤変換などお気づきの点等ありましたら、お手数ですがご一報ください。早急に訂正します。
  • 2016年7月
              1 2
    3 4 5 6 7 8 9
    10 11 12 13 14 15 16
    17 18 19 20 21 22 23
    24 25 26 27 28 29 30
    31            

    Mail

    • ご連絡はこちらからお願いします。

      管理者へのMail

      フォームメールを変更しました。(2011/3/31)

    無料ブログはココログ