訴状

2010/07/12

訴状 第2-5より~ 国家賠償法第2条に基づく責任

5 国家賠償法第2条に基づく責任

(1〉 国家賠償法第2条の趣旨

 国家賠償法第2条1項は、危険責任の法理に基づき被害者の救済を図ることを目的として公の営造物の設置又は管理に瑕疵があったために損害を生じたときに国又は公共団体に賠償する責めに任ずるものである。

(2) 「公の営造物

 同項にいう「公の営造物」とは、国又は公共団体により、直接公の目的のために強要される個々の有体物及び物的施設をいい、講学上の「公物」にあたる。そして、本県保土ヶ谷高校校舎が、「公の営造物」に該当することは明らかである。

(3) 設置又は管理の暇疵

 国家賠償法第2条にいう「暇疵」については、諸説あるも「営造物が通常備えるべき安全性を欠いていることをいい、これに基づく国及び公共団体の賠償責任については、その過失の存在を必要としない」(高知落石事件 最高裁昭和45年8月20日判決)と解される。
 防水工事によって有害な揮発性有機化合物が附合し、かつ教室内にまで放散されている状態の保土ヶ谷高校校舎は、生徒・教職員などが日常的に利用することが前提となっており、これらのものが有害な揮発性有機化合物に曝露する危険性が極めて高い状態となっており、県立高校校舎として、通常備えるべき安全性を欠いていることは明らかであり「設置又は管埋」に瑕疵があることは明らかである。

(4) よって、被告は、原告に対し、国家賠償法2条第1項に基づき、賠償の責任を負う。

 

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裁判経過-時系列-

 

2010/07/11

訴状 第2-4 より~安全配慮義務違反 (2010/3/30)

4 被告の安全配慮義務違反(債務不履行責任 民法第415条)

(1)県の教職員公務員の採用と県の安全配慮義務

「国は、公務員に対し、国が公務遂行のために設置すべき場所、施設もしくは器具等の設置管理又は公務員が国もしくは上司の指示のもとに遂行する公務の管理にあたって、公務員の生命及び健康等を危険から保護するよう配慮すべき義務(以下『安全配慮義務』という)を負っているものと解すべきである。」
「右のような安全配慮義務は、ある法律関係に基づいて特別な杜会的接触の関係に入った当事者間において、当該法律関係の付随義務として当事者の一方又は双方が相手方に対して信義則上負う義務として一般的に認められるべきものであって、国と公務員との間においても別異に解すべき論拠はなく、公務員が前記の義務を安んじて誠実に履行するためには、国が、公務員に対し安全配慮義務を負い、これを尽くすことが必要不可欠」である(最判昭50・2・25第三小法廷判決民集29・2・143)。
よって、地方公務員の場合であっても同様に地方公共団体である被告は、原告に対し民法415条に基づき安全配慮義務を負うことは明らかである。

(2)被告の安全配慮義務違反

ア 被告は、不十分な補修工事により、工事の過程及び工事後において、管理基準を上回る濃度の化学物質に曝露させた

(ウ)安全実施義務、告知義務違反

イ 遅すぎる化学物質撤去の対策工事

(ア)汚染事故の事実の隠蔽に走った被告の態度

そればかりか、被告の責任で極めて重大なのは、少なくとも、本件屋上防水補修工事の工事期間中から、異臭があり、体調不良を訴える教職員も出ていたため、原告らから、再三にわたって、異臭の検査と原因究明が求められていた。
にもかかわらず、被告はこれをしなかったばかりか、被告が依頼した平成16年11月の施工行業者による検査では、検査日に検査をするのではなくダクトの設置工事が行われたり、また、被告が依頼した平成16年12月9日の社団法人神奈川県薬剤師会試験センターの検査では、30分の換気の後に、5時間以上密閉した状態にして、その後に検査をすることになっているのに、換気後に、密閉した時間を置くことなく、直ちに検査が実施されたりした。このように、被告による、検査結果を歪めるような圧力を疑わざるを得ないような、異常な検査が繰り返され、結局、被告は、迅速かつ適切な検査を、実施しなかった。
その一方で、被告は、この信用性に乏しい検査結果をもって、異常がないことを主張し、異臭の原因を究明しないままに、べ一クアウト等を強行しようとするなど、むしろ、被告の態度は、まるで汚染事故の原因究明を曖昧にしたまま幕引きを図り、汚染事故の事実を隠蔽しようとするかのごときだった。
このため、いつまでも、原因が解明されずに時間が経過し、その結果、有効な対策も行われないまま、原告を含む教職員や多くの生徒が、毎日のように揮発性有機化合物(VOC)に被曝し続けることとなった。

(イ)対処の遅れは明白

被告が、本件シックスクール事故の事実を隠蔽しようとしていたか否かはともなくとしても、被告の本件シックスクール事故に対する対処は遅すぎると言わざるを得ない。
よって、被告に安全配慮義務違反の違法が存することは明白である。

(4) 小括

以上より、被告の本件安全配慮義務違反によって、原告は、シックビルディング症候群に罹患し、これに起因する化学物質過敏症を発症したのであるから、被告は、原告に対し、民法415条に基づき賠償責任を負う。

 

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裁判経過-時系列-

 

2010/07/10

訴状 第2-3-(1) より~被告による問題だらけの対応 エーカ (2010/3/30)

(ア) 検査をせずに引渡しを受ける

以上のように、本件屋上防水補修工事の工事期間中から異臭が発生し、教職員も体調不良を訴えるような状態であった。

このため、原告、書道のF非常勤講師及びS音楽科教諭は、工事期問中から保土ヶ谷高校の事務長に対して、異臭や体調不良を訴え、原因の究明や検査の実施を求めていた。
にもかかわらず、被告は、施工業者に室内空気中化学物質濃度の検査を求めたり、あるいは自ら同検査を実施したりすることもなく、平成16年10月18日、漫然と、工事完了ということで引き渡しを受けてしまったのだった。

 
(イ)検査をせずにダクト工事

 
また、11月8日には、保土ヶ谷高校から、被告に対して、音楽教室及び書道室の臭い対策について、改善要請があり、これを受けて、11月10日には、被告が、補修工事施工業者によるVOC濃度の測定を行わせることが予定されていた。
ところが、同日、施工業者が測定器を忘れてきたということで濃度測定が実施されず、その一方で、換気扇3基(音楽室2基、書道室1基)の設置工事が、突然行われるという理解困難なことが行われた。それは、被告が命じた屋上防水補修工事によって、VOC汚染事故が引き起こされたという事実を、隠蔽しようとしたものとしかいいようのない行為だった。
しかも、皮肉なことに、この換気扇は、音楽室や書道室の中の空気を排気するものとして設置されたため、両室の気圧が下がり、かえって、天井裏やスラブ内に滞留していたVOCを室内に放散させる結果となった。

 
(ウ)信用性の乏しい検査

 
さらに、11月17日になって、ようやく施工業者によって実施されたVOC濃度の検査は、TVOC(総VOC)のみを測定し、トルエン、キシレン等の単体の濃度測定は行わないという極め中途半端なものにとどまった。

しかも、問題の音楽室や書道室については、当日まで換気を続けた状態にし、これを灯油ストーブが設置されている教室の測定値と比較して、測定値にさほどの差がないことを主張するようなものだった。
それはまるで、異臭については、健康被害が発生するようなものでないという結論を、事実を曲げてでも示そうとしているようにしか受け取れないような姿勢だった。

 
(工)教室使用の中止も退避要請を認めただけ

 
平成16年12月1日、保土ヶ谷高校の学校薬剤師山田平次によって、室内空気中化学物質の簡易測定検査が実施され、音楽室のトルエンが指針値の約4.6倍、天井内は5.8倍という高濃度の緒果が検出された。
このため、書道のF非常勤講師及びS音楽科教諭は、北棟3階から退避することを決意し、校長の諒解の下、中央棟生物室等へ移動して授業を行うこととした。
この点について、前記の「保土ヶ谷高校シックハウス事故について(県立学校施設整備に伴う室内化学物質対策検討委員会報告)では、「学校長、音楽室・書道室を使用中止」とし、あたかも、学校長が健康問題に配慮して使用中止を積極的に実施したかのごとく記載されているが、被告の学校長の姿勢はそのように積極的なものでは決してなかった。

 
(オ)試験センターによる基準内の検査結果とべ一クアウト間題

 
もっとも、学校薬剤師山田平次によるこの検査は、窓の開放等の事前措置を行わず、前日から密閉したままの状態で行ったものであったため、正確性が疑問視されざるを得ないものだった。
そこで、被告は、12月.9目、社団港人神奈川県薬剤師会試験センター(以下「試験センター」という)によって、「学校環境衛生の基準」の規定によるVOC測定を行うとした。
そして、被告(県教育委員会教育施設課)は、この検査結果が、基準値内のものであったからとして、12月21日、同月26日から音楽室及び書道室の天井板を外してべ一クアウト及び換気を行うとし、これによって本件シックスクール事故を強引に終わらせようとした。
しかしながら、原告ら芸術科の教職員が、VOC濃度の測定の場合、30分の換気の後に、5時間以上密閉した状態にして、その後に検査をすることになっているのに、12月9日に実施した試験センターの検査は、30分の換気直後から検査を行っており、信用性に乏しい検査であることを暴露した。そして、このような信用性に乏しい検査結果を根拠にして、本件のように重大なシックスクール事故の原因が分からなくなってしまうようなことをすべきでないと申し入れた。
このため、被告もこの検査が無効であることを認めざるを得なくなり、発表したべ一クアウトも中止して、原告の主張するように原因究明を行うこととなった。

 
(カ)原因物質完全除去要請と被告による原因究明

 
12月9日、原告らは、被告の学校長及び事務長に対して、原因物質を完全に除去することの要望書を提出し、学校長は、12月10日、同文書の趣旨に沿った要望を、被告の教育施設課に届けた。
また、1月初旬及び2月21日には、原告は、松沢県知事に対しても、資料を提出し、直接、請願もした。
さらには、3月3日には、神奈川県議会でも、このシックスクール問題を取り上げてもらった。
.原告や芸術科の教職員は、生徒や教職員の健康に関わる問題であるのに、むしろ、被告が間題を隠蔽しようとすることに納得がいかず、このように、各方面に働きかけることによって、問題の早期解決を試みた。
しかしなが、それでも、被告は直ちには対処をしようとしなかった。
そのような中で、平成17年1月末から2月にかけて、被告は、日本環境株式会社や株式会社ダイヤ分析センターに依頼して、検査を実施した。
しかしながら、この時期は真冬であり、気温が著しく低かったため、管理濃度の基準値を超える検査結果は得られるはずもなく、被告は、少なくとも現状は問題がないことばかりを強調するのみであった。
ただ、他方で、いずれの検査結果においても、室内から検出されるVOCと防水ブライマーに含有されているVOC、さらには、コンクリートスラブから検出されるVOCとは一致しており、かつ、コンクリートスラブ内の方が濃度が高かったため、屋上防水工事のプライマーに含有されていたVOCがクラック等を通じて染み込み、直下の音楽室や書道室に放散していることが合理的に推測することが出来た。したがって、これらの検査によって、本件異臭の原因究明については進展が見られた。
しかしながら、それでも、被告は直ちには対処をしようとしなかった。

 
オ 気温上昇に伴い、再び高濃度化学物質が放散

 
(ア)北棟3階諸室の使用中止

 
平成17年4月23日、気温が上昇したことに伴い、スラブ中に滞留していたキシレン等の揮発性有機化合物(VOC)が、再び、教室内に放散し、異臭が充満した。このため、PTA役員らが、使用されなくなっていた音楽室及び書道室を訪れたところ、あまりの異臭に驚き、学校長に対して、北棟3階諸室(音楽・書道・視聴覚・美術及び廊下等全て)の使用中止を要請した。
この結果、学校長は、要請通り、北棟3階諸室の使用中止を決定した。

 
(イ)西棟5階の異臭により生徒が体調不良

 
また、平成17年4月25日、気温が上昇したことに伴って、西棟5階でも異臭が発生する事態となった。
この結果、大量の生徒が体調不良を訴える事態となった。

このため、翌4月26日、保土ヶ谷高校は、職員会議において、西棟5階の臭い対策を被告教育財務課へ要請し、学校長は、西棟及ぴ南棟5階の使用中止を決定した。

 
(ウ)対策検討委員会の設置

 
このような中で、平成17年4月27日、ようやく、被告は、「県立学校施設整備に伴う室内化学物質対策検討委員会」を設置し、本格的に対策に乗り出すこととなり、同日、その第1回検討委員会が開催された。
翌4月28日には、日本環境による検査が行われ、音楽室の個別練習室左で、管理濃度をオーバーするキシレンが検出される等し、その後の検査でも異常値が検出される等した。

(エ)西棟5階の異臭により308名の生徒が体調不良

 
平成17年5月2日、西棟5階の異臭の発生により、体調不良を訴える生徒が続出したため、全校生徒を対象に健康調査を行ったところ、実に、全校生徒660名中、308名という大量の生徒が体調不良を訴える大変な事態となった。
そこで、同月5月26日、学校医及び応援医による診断を実施したところ、26名の生徒が専門医よる受診対象となった。
ところが、被告は、この26名の生徒については、独立行政法人相模原病院においてて受診をすべき旨を言い渡したため、保護者から、他院の専門医による受診を希望する声があがった。ところが、被告は、不当にも相模原病院以外の受診を認めなかった。
これらの生徒については、平成17年9月9日までに、相模原病院において受診し、シックハウス症候群2名、経過観察2名の合計4名の健康異常が認められた。
なお、上記26名には入っていなかった生徒1人が、平成17年夏ころに、北里研究所病院において、シックハウス症候群と診断されている。

カ 対策工事
被告は、本件屋上防水補修工事によってスラブ内に滞留したVOCに対する対策工事を行うことを決め、平成17年7月27日、その改修工事に着工した。
この対策工事が着工されて間もない同年7月ころ、北棟2階の家庭科室で授業をしているM家庭科教諭が、体調不良を訴えた。
ちなみに、同人は、17年10月28日には、化学物質過敏状態(シックスクール症候群由来の疑い)と診断された。同人は現在、公務災害の申請中である。
また、同じ頃、原告も、大量に痰が出るようになり、また、極度に疲労感を感じるようになった。
この対策工事は、夏季休暇中に終わる予定だったが、改修工事の最中に、北側書道教室前の廊下も汚染源になっていることが判明し、追加工事となった。このため、工期が延びて、改修工事の完成検査が行われたのは、平成17年10月19日だった。

 

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訴状

裁判経過-時系列-

 

2010/07/09

訴状 第2-3-(1) より~  本件シックスクール事故 アーウ (2010/3/30)

(1)本件シックスクール事故

ア 本件屋上防水補修工事

原告は、平成15年4月から、保土ヶ谷高校に赴任した。
保土ヶ谷商校の校舎には、北棟、南棟、西棟、中央棟の建物が存在した(別紙図面五参照)。北棟は3階建、南棟及び酉棟は5階建の建物だった。
平成16年4月27日、保土ヶ谷高校の北棟の屋上防水シートが強風によって剥離し、雨漏りが発生した。
このため、翌4月28日、保土ヶ谷高校の校長は、被告に対して屋上防水補修工事を依頼し、被告(教育委員会教育施設課長)は、7月12日に、財団法人神奈川県土地建物保全協会に同屋上防水補修工事を指示した。
平成16年9月13日、同工事が着工し、同16日に保土ヶ谷高校北棟の屋上に、以下に述べるように輝発性有機化合物(以下「VOC」という)が塗布され、9月28日に、北棟の屋上防水工事が終了した。その後、引き続き、保土ヶ谷高校西棟の屋上防水補修工事が行われ、同工事は、10月18日に完了した。

イ 補修工事の内容

本件屋上防水補修工事では、保土ヶ谷高校北棟の屋上の防水層〈防水塗装)を剥がした後に、プライマー(防水層をコンクリートに密着させるための下塗り剤)を塗って、その上から新たな防水塗装を行うという工事が行われた。このプライマーには、キシレンやエチルベンゼンなど、大量に被曝すると健康被害を引き起こす有害な揮発性有機化合物(VOC)が含まれていた。
ところが、保土ヶ谷高校の屋上のスラブ(コンクリート床)には多数のクラックが存在しており、工事業者の報告によっても、幅0.2~0.6mmのクラックが、長さ合計47メートルも存在していた(そればかりか、平成17年8月23日付の後記対策工事の報告書では、北棟クラックの長さ合計は、150メートルとされている〉。
このため、これらのクラックについてU字カットやV字カツトを行う等して、適切なクラック処理を実施した上で、防水層を塗布することが必要だったが、同工事ではこれをせず・ヘラ塗りのクラック処理を行っただけだった。
その結果、防水プライマーの成分のキシレンやエチルベンゼン等の揮発性有機化合物(VOC)が、防水層から直接あるいはクラック等を通して、屋上のスラブ(コンクリート床)に染み込むこととなった。
また、プライマーの上に新たな防水塗装を行ったことによって、プライマーに含まれるキシレンやエチルベンゼン等が、屋上から揮発出来なくなってスラブ内に滞留し、直下の天井内に降り、さらに、教室内にも降りてくることとなった(平成18年3月神奈川県教育委員会教育局「保土ヶ谷高校シックハウス事故について(県立学校施設整備に伴う室内化学物質対策検討委員会報告)参照)。

ウ 本件屋上防水補修工事とシックスクール症候群の発症

保土ケ谷高校北棟の本件屋上防水補修工事が実施された直下には、書道室と音楽室が存在していた(別紙図面2参照)。原告が担当していた美術の授業を行う美術室は、書道室の廊下を挟んだ向かい側に位置していた。
このため、工事直後から、異臭が尋常ではない状態となり、平成16年10月ころには、書道科のF非常勤講師(臨時任用職員)及び音楽科のS教諭が、体調不良を訴えるに至った。なお、後に、両名は、平成17年3月に、北里研究所病院において化学物質過敏症状態(シックスクール症候群由来の疑い)と診断され、平成18年3月1日には、F非常勤講師が、労働災害認定を受け、平成21年3月には、S教諭が公務災害認定を受けるに至っている。

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訴状

裁判経過-時系列-

 

訴状 -概要- (2010/3/30)

当事者の表示     別紙当事者目録記載のとおり

損害賠償請求事件

 訴訟物の価額 金4722万6022円

 貼用印紙の額 金16万4000円

第1 請求の趣旨

1 被告は、原告に対し、金4722万6022円及びこれに対する平成16年10月18日から支払い済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。

2 訴訟費用は被告の負担とする。

との判決及び仮執行の宣言を求める。

第2 請求の原因

1 はじめに

 本件は、神奈川県立保土ヶ谷高等学校で、平成16年9月に発生した、屋上防水補修工事に使用された有機溶剤に伴う汚染事故(シックスクール事故)において、美術科教諭だった原告が、被告のシックスクール事故に対する対処の遅れから、長期間にわたって有害な揮発性有機化合物(VOC)に被爆し続け、その結果、シックビルディング症候群及び化学物質過敏症に罹患したことの責任を被告に求めるものである。

 被告(神奈川県教育委員会教育局)は、平成17年7月から対策工事を行うと共に、本件保土ヶ谷高校のシックスクール事故を契機に、平成18年3月に「県立学校における室内化学物質対策マニュァル」を作成した。
 しかしながら、これらは、原告らが本件シックスクール事故の発生直後から、繰り返し主張し続け、被告の事故隠蔽的な姿勢の前に、何度となく断念させられそうになったものを、原告ら教職員や保護者の努カによって、ようやく被告に実現させることが出来たものである。事故の当初から、現在に至るまで、被告の対応は、生徒や教職員の健康を無視し、事故を隠蔽して責任を暖昧化しようとしてきたと言わざるを得ず、現在に至るまで、何ら反省が見られない、被害者である教職員や生徒は、被告から謝罪のことばも受けることなく、未だに苦しめ続けられている。
 原告は、本件訴訟において、このような被告の責任を明確にするとともに、その被害の救済を求めるものである。

2 当事者 

 (1) 原告

 (2) 被告 

3 本件公務災害 

 (1) 本件シックスクール事故

   ア 本件屋上防水補修工事

   イ 補修工事の内容

   ウ 本件屋上防水補修工事とシックスクール症候群の発症

   エ 被告による問題だらけの対応 

    (ア) 検査をせずに引渡しを受ける

    (イ) 検査をせずにダクト工事

    (ウ) 信用性の乏しい検査

    (エ) 教室使用の中止も退避要請を認めただけ

    (オ) 試験センターによる基準内の検査結果とベークアウト問題

    (カ) 原因物質完全除去要請と被告による原因究明

   オ 気温上昇に伴い、再び高濃度化学物質が放散

    (ア) 北棟3階諸室の使用中止

    (イ) 西棟5階の異臭により生徒が体調不良

    (ウ) 対策検討委員会の設置

    (エ) 西棟5階の異臭により308名の生徒が体調不良

   カ 対策工事

 (2) 本件シックハウス事故と原告の症状

   ア 原告の健康被害

     (ア) 北里研究所病院の宮田医師による診断

     (イ) シックハウス症候群

     (ウ) 化学物資区過敏症

   イ 化学物質(揮発性有機化合物(VOC))の被爆

     (ア) 防水プライマ―に含有された揮発性有機化合物(VOC)

     (イ) 美術室まえの書道室前廊下も汚染源だった

     (ウ) 美術室は平成17年4月23日まで通常使用された

     (エ) 平成17年4月23日以降も立ち入らざるを得なかった

     (オ) 危険性の強いトリレンジイソシアネートによる汚染の可能性

   ウ 原告の症状

     (ア) 大量・長期のVOC暴露

     (イ) 対策工事完了後の原告の症状

     (ウ) 暴露の終了

   エ 原告の健康被害は、本件シックスクール事故に起因する

 (3) 同僚職員の公務災害認定、労災認定

   ア

   イ

   ウ

   エ

   オ 

 (4) 原告の公務災害申請

 

4 被告の安全配慮義務違反 

 (1) 県の教職員公務員の採用と県の安全配慮義務

 (2) 被告の安全配慮義務違反

   ア

     (ア) 学校設備における化学物質の管理濃度の定め

     (イ) 

     (ウ) 安全実施義務、告知義務違反

   イ 遅すぎる化学物質撤去の対策工事

     (ア) 汚染事故の事実の隠蔽に走った被告の態度

     (イ) 対処の遅れは明白

(3) 過失

   ア 予見可能性

   イ 回避可能性

(4) 小括

5 国家賠償法第2条に基づく責任 

 (1) 国家賠償法第2条の趣旨

 (2) 「公の造営物」

 (3) 設置または管理の瑕疵

 

6 損害 

 (1) 化学物質過敏症への罹患

 (2) 損害金額

 

7 よって、被告は、民法第415条及び国家賠償法2条第1項に基づき原告に対し上記損害金47,226,022円及びこれに対する事故日である平成16年10月18日(被告が最初に工事完了後の検査を怠った日)(債務不履行の場合は訴状送達の日の翌日)から支払い済みに到るまで年5分の遅延損害金を賠償する義務がある。

 

訴状

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